すきっ歯(空隙歯列 くうげきしれつ)
歯と歯の間に隙間がある状態(すきっ歯)。
乳歯列の隙間は正常です(永久歯の生え変わりに必要な場合が多い)。
平成23年の厚生労働省の歯科疾患医療調査では12~20歳の12%が空隙歯列と報告されています。
原因
①顎の大きさが大き過ぎる、あるいは歯の大きさが小さ過ぎる場合
②歯の数が少ない
③舌の位置異常(突出癖や低位舌)
④舌が大きい
⑤口輪筋の弛緩など、歯列弓を取り囲む口腔周囲筋の不調和
空隙歯列のリスク
①ものが咬みにくい、隙間から漏れる
②発音障害
患者 初診時年齢13歳1カ月(中学生)
主訴 前歯の隙間。
〉 診断
空隙歯列、叢生
〉 治療計画
抜歯:非抜歯
装置:リンガルブラケット矯正装置(STb)
〉 治療概要
MFT(口唇閉鎖力をつける、スラストを防ぐ)を行った。
治療期間:24ヶ月
治療費:105万円+tax
〉 治療上のリスク等
歯根吸収、舌癖による後戻りなど(MFTの継続が特に重要です)。
*矯正治療では上記以外にもリスクや副作用が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
患者 初診時年齢22歳4カ月(大学生)
主訴 前歯の隙間、出っ歯。
〉 診断
空隙歯列、上顎前突
〉 治療計画
抜歯:非抜歯
装置:上顎:リンガルブラケット矯正装置(ClippyL)、下顎:ラビアルブラケット矯正装置(クリアブラケット)
〉 治療概要
上顎側切歯の幅径がやや小さかったが、補綴せず機能的咬合を確立できた。MFT(口唇閉鎖力をつける、スラストを防ぐ)を行った。
治療期間:26ヶ月
治療費:110万円+tax
〉 治療上のリスク等
歯根吸収、ブラックトライアングル、舌癖による後戻りなど(MFTの継続が特に重要です)。
*矯正治療では上記以外にもリスクや副作用が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
患者 初診時年齢37歳10カ月(航空会社勤務)
主訴 前歯の隙間、出っ歯。
〉 診断
空隙歯列、上顎前突、15,25,37,45,46欠損
〉 治療計画
抜歯:非抜歯
装置:リンガルブラケット矯正装置(上顎:Kurz7th、下顎:STb)
〉 治療概要
多数歯欠損を認めた。空隙閉鎖後46欠損部にはインプラントを植立し、機能的咬合を確立した。MFT(口唇閉鎖力をつける、スラストを防ぐ)を行った。
治療期間:24ヶ月
治療費:100万円+tax
〉 治療上のリスク等
歯根吸収、ブラックトライアングル、舌癖による後戻りなど(MFTの継続が特に重要です)。
*矯正治療では上記以外にもリスクや副作用が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
「すきっ歯」に関する Q&A
Q すきっ歯は自然には治らないのでしょうか?
乳歯列に見られる隙間には発育空隙や霊長空隙などがあります。これは通常永久歯の生え変わりに伴い閉鎖します。
また、永久歯列に見られる隙間は通常自然には閉じません。
Q 上の前から2番目の歯が小さく前後に隙間があります。矯正治療で治りますか?
側切歯が小さい歯(矮小歯)だと思われます。他の歯のサイズや咬み合わせが問題なく、その部分だけに隙間がある場合は、かぶせ(補綴処置)により大きさを回復すると一番バランスが良いでしょう。咬み合わせのバランスによっては矯正治療で閉じきれることもあります。