咬めない(開咬 かいこう)
奥歯が咬んでいても、上下の前歯が咬み合わない状態。
平成23年の厚生労働省の歯科疾患医療調査では12~20歳の3%が開咬と報告されています。
原因
①口呼吸(アデノイド、扁桃肥大、鼻炎などの呼吸器系疾患がある場合、口呼吸の癖がつく。その結果、口の周りの筋肉のバランスが崩れる)
②指しゃぶり
③舌の前方への突出癖
④ペンなどを咬む癖
⑤遺伝
開咬のリスク
①ものが咬み切れない(胃腸障害や嚥下障害を起こしやすい)
②奥歯への負担が大きくなり顎関節症を誘発しやすい
③発音がしにくい(空気が抜ける)
④歯の寿命が短くなる
⑤審美的障害(見た目がよくないことによる心理面への影響)
⑥ドライマウスになりやく唾液の分泌量が減少する傾向がある
その結果以下のようなリスクが高まる
1. 虫歯になりやすい
2. 歯肉炎になりやすい
3. 口臭の原因になりやすい
患者 初診時年齢22歳10カ月(幼稚園教諭)
主訴 前歯で咬めない、口元の突出。
〉 診断
開咬
〉 治療計画
抜歯:14,24,34,44,18,28,38,48
装置:リンガルブラケット矯正装置(ClippyL)歯科矯正用アンカースクリュー
〉 治療概要
開咬とプロファイル改善のため抜歯を選択した。歯科矯正用アンカースクリューを用いるとともにMFTを行った。
治療期間:30ヶ月
治療費:130万円+tax
〉 治療上のリスク等
歯根吸収、ブラックトライアングル、舌癖による後戻りなど(MFTの継続が特に重要です)。
*矯正治療では上記以外にもリスクや副作用が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
患者 初診時年齢19歳5カ月(大学生)
主訴 でこぼこ、前歯で咬めない。
〉 診断
叢生、開咬
〉 治療計画
抜歯:14,24,34,44
装置:リンガルブラケット矯正装置(STb)、TPA
〉 治療概要
叢生と開咬の改善のため抜歯を選択した。加強固定はTPAと2級ゴムのみ用いた。治療期間を通してMFTを行った。
治療期間:26ヶ月
治療費:130万円+tax
〉 治療上のリスク等
歯根吸収、ブラックトライアングル、舌癖による後戻りなど(MFTの継続が特に重要です)。
*矯正治療では上記以外にもリスクや副作用が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
患者 初診時年齢37歳0カ月(主婦)
主訴 でこぼこ、前歯で咬めない。
〉 診断
開咬、叢生、上下顎前突
〉 治療計画
抜歯:14,24,34,44
装置:リンガルブラケット矯正装置(STb)歯科矯正用アンカースクリュー
〉 治療概要
開咬、叢生と上下顎前歯の突出を認めたため抜歯を選択した。歯科矯正用アンカースクリューとMFTによりプロファイルを改善した。
治療期間:26ヶ月
治療費:130万円+tax
〉 治療上のリスク等
歯根吸収、ブラックトライアングル、舌癖による後戻りなど(MFTの継続が特に重要です)。
*矯正治療では上記以外にもリスクや副作用が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
「咬めない」に関する Q&A
Q 小学校1年生の子供がまだ指しゃぶりをしています。歯並びに問題はあるでしょうか?
指しゃぶりは、乳児期には必要な生理的反応ですが、大人の前歯が生えてきたときに指しゃぶりが残っていると、歯が十分に生えきれなかったり、顎の骨の高さが低いまま形成されたりしてしまいます。3〜4歳位までに指しゃぶりの癖がなくなるのが理想的です。
Q 開咬の治療でMFTを行うと説明されました。
MFTとは何ですか?
「MFT(Oral Myofunctional Therapy)」は口腔筋機能療法を意味します。舌、唇など口の周りの筋肉(口腔周囲筋)をしっかりバランス良く機能させるためのトレーニング・プログラムです。
歯並びや咬み合わせは遺伝的なものだけでなく、小さい頃からの生活習慣や癖などにも影響を受けます。舌の突出癖や指しゃぶりは、直接開咬の原因となります。また口呼吸などの習慣が口腔周囲筋を弛緩させ、歯列不正を増長させることもあります。MFTにより咀嚼・嚥下時、発音時、安静時の舌や唇の位置を改善するとともに、呼吸をはじめとした口腔機能の改善が期待できます。MFTはあらゆる不正咬合の改善のために大切なトレーニングです。
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