マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置とは
取り外し可能なマウスピース(アライナー)で歯を動かす治療法です。
透明な素材が使用されているため、比較的目立たず治療を行えます。
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置のメリット
目立ちにくく、発音障害が少ない
透明で非常に薄いマウスピースタイプの矯正装置なので目立たず治療ができます。また発音にもほとんど影響しません。
取り外し可能
1) 食事や歯磨きの際に取り外せるので、口腔内を清潔に保ちやすい。
2) 装置の脱離、破損のリスクが少なく比較的遠方からの通院でも安心です。
3) マウスピースタイプなのでマルチブラケット矯正装置のように、舌や頬の粘膜を傷つけたりすることが少ないです。
金属アレルギーの心配がない
マウスピース(アライナー)はポリウレタン製のため金属アレルギーの心配がありません。
歯の移動量のコントロールがしやすい
1枚のアライナーでの移動量を0.25〜0.3mm程度に設定できるため、予想外に歯が動きすぎる心配がありません。
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン/薬機法対象外)
当院で主に使用しているマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置はインビザライン*(薬機法対象外)という製品です。
*アメリカのアラインテクノロジー社より提供されている「マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置」で、FDA(アメリカ食品医薬品局)より医療機器として認証を受け、ISOを取得している工場で製造されています。
これまで世界100カ国以上の国々で提供され、800万人以上の治療実績があり(アラインテクノロジー調査:2020年1月現在)、一般的な矯正治療に伴うリスク以外の、インビザライン固有の重大な副作用の報告はありません。
注意事項
国内では、装置材質のアレルギー等に関する安全性は認められていますが、薬機法*上の医療機器としては未承認です。その理由は、インビザラインを含む「海外カスタムメイド矯正歯科装置」は、日本の国家資格を有した歯科医師、歯科技工士が製作していないため、薬機法上の医療機器および歯科技工士法上の矯正装置に該当しないからです。(医療機器として未承認であることにより、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。)
またマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の中には、国内の歯科技工所で製作され薬機法により承認されている製品もあります。
当院では、症状に合わせて処方する製品を判断しています。
*薬機法
薬機法とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言います。2014年にそれまでの薬事法が改正され名称変更とともに施行されました。
厚生労働省
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン/薬機法対象外)での治療の流れ
1. 初診相談・検査(通常の治療と同様)
icon-chevron-down
2. 診断と治療方針の説明(通常の治療と同様)
icon-chevron-down
3. 口腔内スキャナーによる光学印象(3Dデジタルデータの記録)
icon-chevron-down
4. マウスピース(アライナー)の設計・製作の指示
icon-chevron-down
5. 治療開始
1)初回:1枚目のマウスピース(アライナー)を装着し、取り外しや管理の仕方などを詳しく説明します。
2)2回目以降:歯の表面にアタッチメント*を付与します。必要に応じてIPRを行います。
*歯を正確にコントロールするためのレジンによる突起物
関連記事「アタッチメントとは」
歯の表面に付与したアタッチメント。歯冠色に近いものを選びますので、ほとんど目立ちません。
icon-exclamation-triangle マウスピース(アライナー)は10日毎に交換し、1日20時間以上の装着が必須です。渡された分のステップが終了したら、チェックと次のステップのマウスピース(アライナー)を受け取りに来院していただきます。
icon-exclamation-triangle 歯の動きと治療計画にずれが生じた場合は、再度口腔内スキャナーによる光学印象を採撮し、新しいステップを作製します。
口腔内スキャナーによる3Dデジタルデータの採撮
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置の症例
患者 初診時 20歳2カ月(大学生)
主訴 上下の前歯のデコボコ。
〉 診断
歯と歯槽基底の大きさの不調和による叢生
〉 治療計画
抜歯:18,28,38,48
装置:マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン/薬機法対象外)
〉 治療概要
他医院での矯正治療後の後戻りで、上下顎前歯部に軽度の叢生を認める。18.28,38,48を抜歯し、IPRを併用しマウスピース(アライナー)で治療を行った。
治療期間:12ヶ月(保定観察中)
治療費:82万円+tax
〉 治療上のリスク等
歯根吸収、リセッション、ブラックトライアングル、歯髄炎など。
*矯正治療では上記以外にもリスクや副作用が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。
患者 初診時 25歳0カ月(航空会社)
主訴 下の前歯のデコボコ。
〉 診断
歯と歯槽基底の大きさの不調和による叢生
〉 治療計画
抜歯:非抜歯
装置:マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン/薬機法対象外)
〉 治療概要
金属アレルギーの既往があること、及び下顎前歯部の叢生だけを治療したいとの希望だったため、IPRを併用しマウスピース(アライナー)で治療を行った。IPRが8箇所あったため、歯髄炎のリスクを考慮しながら複数回に分けて行った。
治療期間:12ヶ月(保定観察中)
治療費:60万円+tax
〉 治療上のリスク等
歯根吸収、リセッション、ブラックトライアングル、歯髄炎など。
*矯正治療では上記以外にもリスクや副作用が考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。