受け口(下顎前突 かがくぜんとつ)
下の前歯が上の前歯よりも前方に出ている状態で、反対咬合や下顎前突とも呼びます。
平成23年の厚生労働省の歯科疾患医療調査では12~20歳の2%が下顎前突と報告されています。

下顎前突には大きく4つのタイプがあります。
①下の前歯が前方に出ている(歯槽性)
②下顎が過度に前方に出ている(骨格性)
③上の前歯が内側に傾斜している(歯槽性)
④上顎が後方にある(骨格性)
原因
①遺伝
②舌の位置、大きさの異常
③口呼吸(口呼吸をすることで舌の位置が低位になり気道が狭くなる。そのため気道を確保しようと下顎を前方に突き出す癖がつき、それが習慣化することで受け口になりやすくなる。)
下顎前突のリスク
①ものが咬みにくい(胃腸障害や嚥下障害を起こしやすい)
②奥歯への負担が大きく、歯の寿命が短くなる可能性がある
③発音障害(サ行タ行などが発音しにくい)
④審美的障害(見た目がよくないことによる心理面への影響)
BEFOR


AFTER


BEFOR


AFTER


BEFOR


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「受け口」に関する Q&A
Q 受け口は早く治した方がよいのですか?
上下の前歯の咬み合わせを反対のままにしておくと、下顎の骨が過度に成長しやすくなります。場合によっては将来、手術によって下顎を引っ込める外科矯正に移行することもあります。受け口の状態でしたら、早い機会に矯正歯科専門医を受診してください。早ければ4、5歳から取り外し式装置で無理なく受け口を改善する治療方法もあります。
Q 反対咬合は遺伝しますか?
骨格性の反対咬合は遺伝する傾向があります。顎の成長を完全に矯正治療で抑えることはできませんが、できるだけ早期に歯並びを改善するとともに、受け口を増長する要因となる口呼吸や舌の位置をコントロールすることにより、リスクを最小限にすることができます。