裏側矯正の痛みの対処法 1 〜頼りになる2つのグッズ

裏側矯正の痛みの対処法 1 〜頼りになる2つのグッズ

前回「裏側矯正と3つの痛み」について解説しました。
裏側矯正の装置は、近年飛躍的に進化しました。
歯が早く正確に動くだけでなく、患者様の違和感を少なくするため装置が薄くなったり、装置の角が取れて丸みを帯びたデザインになったり、実に細やかな配慮がされています。

それでも矯正治療に「ある程度の痛み」は付きものです。
しかし、それは十分に耐えられるものであり、治療が進むほど慣れてくることも知りました。

でもやっぱり痛いのはイヤですよね。
ということで、
今回から「裏側矯正の痛みの対処法」を探っていきましょう。

初回は「裏側矯正の装置があたって粘膜や舌が痛い」場合の対処法です。

1 オーソシル

1-1 オーソシルって何?

矯正治療の経験者なら「カバーワックス」という粘土のようなグッズを使った経験があるでしょう。

ブラケットやワイヤー、結紮線、マイクロインプラントなど、お口の中に矯正装置が入ると、慣れるまでの1ヶ月位の間、頬や舌の粘膜が擦れたり、口内炎ができたりしてしまうことがあります。

オーソシルはそんな時に使う粘膜保護用のワックスで、矯正治療の定番グッズです。

1-2 オーソシルの使用方法

1-2-1 装置の周りを清潔に

痛みのある装置の周りを、歯磨きやうがいで清潔にします。
汚れが残っていると不衛生になり、傷口の炎症を悪化させる場合があります。

1-2-2 手洗いと取り出し

手を洗いましょう。オーソシルに汚れが付着すると不衛生になります。また接着力も弱くなってしまいます。

次に、オーソシルをちぎって取り出してください。使用量は保護したい範囲によりますが、やや多めの方が保護効果が高いでしょう。

オーソシルは温めると柔らかくなり、冷やすと固くなります。適度な柔らかさになるように指の腹で丸めて柔らかくします。

1-2-3 貼り付ける

装置周囲を乾燥させます。
痛みや違和感のある装置の上に丸めたオーソシルをのせます。次に押し付けて装置やワイヤーをカバーしてください。表側だけでなくアンダーカットにも入れ込むようにすると、剥がれにくくなります。
ある程度厚く盛ることと、どこが引っかかるのか特定できないときには、広めに貼るのがコツです。

1-3 オーソシルの注意事項

1-3-1 オーソシルはやや剥がれやすので、しっかり装着部位を乾燥させてから使用してください。

1-3-2 剥がれてしまったら、新しいものを使ってください。

1-3-3 食べても無毒で排泄されますのでご心配なく。しかし食事の前には外してください。

1-3-4 装置に慣れた後もオーソシルは保管して下さい。SOS時に役立ちます。

1-3-5 痛みの原因によってはオーソシルで改善できない場合があります。その際はできるだけ早く担当医を受診ください。

2 ギシグー(GISHY GOO)

2-1 ギシグーってどんなもの?

オーソシルと同じように、ブラケットやワイヤー、マイクロインプラントなど口腔内の矯正装置が舌や頬粘膜に当たって痛いときや口内炎ができてしまうときに使うシリンジタイプの保護剤です。
パンフレットでは「短期的使用歯科矯正用粘膜保護剤」とあります。

2-2 ギシグーの材質

皆さんは歯科医院で歯型を採った経験はありますか?
歯型を採る材料には、アルジネート(アルギン酸ナトリウム)や寒天、シリコーンなどが使われます。
ギシグーは歯科印象用シリコーンとして使用されているポリビニルシロキサンエラストマー(PVS)で作られています。
そのため、シリコンアレルギーの方は使用できません。

2-3 ギシグーvsオーソシル

2-3-1 ギシグー最大の特徴は「剥がれにくさ」です。

結構しっかりつきます!
上手につけると、1日中剥がれません。
お仕事などが忙しく、頻繁にワックスを変えられない方にとってギシグーは強い味方です。
*注意!マニュアルでは1回あたりの使用時間は12時間となっています。

2-3-2 オーソシルは簡便ですが、剥がれやすいのが難点です。

ただしオーソシルをつけるのが上手で、不便を感じない方にはギシグーは必要ないかもしれません。

2-3-3 ギシグーのお値段はオーソシルの4倍くらいです。

しかし、剥がれにくさ(=使用量)を考えると価値はあります。コスパは非常に良いですね。

2-3-4 ギシグーはレッド、ブルー、グリーン、イエロー、ホワイトの5色展開です。

裏側矯正の装置の痛い部分や引っかかりをカバーする場合は「歯の裏側で見えない」ので、何色でも使えそうですね。
表側矯正で使用するには、見た目を考えてホワイト(トゥースカラー)が良いでしょう。
バブルガムの香りがついています。

2-4 ギシグーの使い方

2-4-1 キャップをひねって開けてください。

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2-4-2 シリンジから1回分(豆粒大が目安)を指の上に押し出します。

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2-4-3 10秒ほど指でしっかりと練りあわせてください。練りあわせが不十分だと、しっかり固まらず十分な効果が得られません。

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2-4-4 固まる前にブラケットまたはマイクロインプラントなど、気になる部位に付けて形を整えます。完全に固まるまで2分ほどかかります。

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2-4-5 使用後はキャップをしっかりと締めてください。室温で保管しヒーターの近くなど高温になる場所には置かないでください。

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3 まとめ

「裏側矯正の装置があたって粘膜や舌が痛い」場合の対処法を見てきました。
裏側矯正を始めたばかりの頃は「この痛みや違和感に慣れることができるのか不安・・・。」になるでしょう。
でも安心してください。粘膜は驚くほどの適応力を示します。そしてほとんどの方は無理なく治療を継続しゴールに到達します。
患者様の体験談がそれを実証しています。
心配な時は私たちSYNCスタッフにご相談ください!

「裏側矯正の痛みの対処法」について見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)

NAS CRETIVES/Shutterstock.com

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