発音・滑舌(4)

発音・滑舌(4)

裏側矯正と発音・滑舌のシリーズ第4回目は「2つの事実」です。
前回まで「調音(発音)」と「調音器官」そして日本語の「子音の調音」について見てきました。

1 裏側矯正で影響が出る可能性のある子音

ここまでの情報を総合して考えると「調音時に舌がブラケットのついている上下の前歯に接触あるいは近接する子音が影響を受ける可能性がある」と考えられます。
なんとなくイメージできますよね。
すなわち日本語ではサ行、ザ行、タ行、ダ行、ナ行、ラ行です。
歯の裏側にブラケットがついていると、これらの子音は調音時に「歯、歯茎、口蓋での適切な空気の閉鎖ができない」もしくは「調音点に狭めを作る際に装置が邪魔になり適切な隙間を作れない」などの理由で調音に影響が出ると考えられます。

2 2つの事実

2-1 真実 1

「裏側矯正では発音に影響が出ますか?」
この問いに対する答えは「Yes」です。
これは調音方法から考えても、想像に難くないでしょう。
事実です。
しかし、「裏側矯正は発音障害があるからやめたほうがいい」という意見は、あまりに短絡的です。

2-2 真実 2

現実に、裏側矯正で治療を行っている方は非常に多くいらっしゃいます。
皆さんネットの情報やカウンセリングで「裏側矯正では一時的に発音障害がでる」ということは知っています。
それでも裏側矯正を選択します。
裏側矯正は、既に数十年にわたり行われてきている「確立された医療技術」です。そして日々アップデートされています。
これもまた事実です。
どうやら、この「2つの事実の間」を考察する必要がありそうですね。

3 実際どうなの?

3-1 SYNCでの実際

裏側矯正では発音に影響が出ます。しかし、今まで見てきたように全ての子音に影響が出るわけではありません。
実際には発音しにくさの程度、慣れには非常に個人差があります。しかしSYNCの患者様で「発音・滑舌が問題で裏側矯正を中止した方」はほとんどいません。
SYNCでは、裏側矯正で治療を終了された患者様に「裏側矯正と発音障害」に関するアンケートを行っています(アンケートは次回の記事で公開します)。
「治療開始後2〜4週間ほど、話にくさを感じたが仕事が成り立たないほどではなく、いったん慣れてからは全く問題なく治療を続けられた。」
という方がほとんどでした。
これが体験者の生の声です。

3-2 考えるべきこと

考えるべきは「患者様自身のライフスタイルのなかで、この2週間程度の期間が許容できるかどうか」です。
2週間程度であっても、全く発音しにくさがあってはNGというお仕事の方の場合は、裏側矯正で治療することは難しいかもしれません。
SYNCの患者様にはアナウンサー、歌手、声優など「発音が重要」な分野で活躍されている方もいます。
その経験からお話しすると、プロの話し手ほど発音のしにくさ・滑舌の悪さを比較的早く克服されていたように思います。
ある大手テレビ局のアナウンサーの方は、裏側矯正の装置をつけた当日の夜のニュース番組で、注意して聞いても気にならないほど正しい発音でお話しをされていました。
さすがプロ!沢山話すことで、お口の中の新しい環境に舌の位置を慣れさせることができるのです。

4 まとめ

「裏側矯正と発音・滑舌」について4回にわたり考えてきました。
先にも書きましたが「患者様自身のライフスタイルのなかで、話しにくい2週間程度の期間が許容できるかどうか」がポイントになります。

ネット上で氾濫する情報の波に飲み込まれないように、今一度あなたの「心の羅針盤」を覗いてください。
「あなたは何処を目指しているのですか?」
そして
「そのゴールまでどんなルートで行きたいのですか?」
純粋にあなたの希望する道を考えてください。

目指すものが「キレイな歯並び・健康な咬み合わせ」
ルートが「目立たない方法」

であれば、私たちのチームがサポートします。
私たちは、その「海」のことを良く知っています。
途中に待ち受ける困難も含めてそこを一緒に乗り越える知恵と経験を持っています。
そして誰よりも、ゴールしたときのみなさんの喜びと感動を知っています。

「裏側矯正と発音・滑舌」見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)

bahri altay/Shutterstock.com

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