発音・滑舌(2)

発音・滑舌(2)

子音の分類

第1回目では、裏側矯正と発音・滑舌の問題を考えるための基礎知識として「発音」すなわち「調音」と「調音器官」について書きました。
少し難しい用語が続きますが、さらに進めていきましょう!
裏側矯正と発音・滑舌の第2回目は「子音の分類」です。

1 子音と母音

調音音声学では、調音に基づく言語音の分類を行います。まず、言語音は子音と母音に大別されます。

1-1 子音 (consonant)

口腔内で呼気の流れがある程度妨げられて発せれられる言語音

1-2 母音 (vowel)

口腔内で呼気の流れがあまり妨げられないで発せれられる言語音

2 子音の分類基準

次に子音の分類に入ります。
「口腔内で呼気の流れをある程度妨げて発せられる言語音」子音は調音点、調音方法, 声帯振動によって分類されます。

2-1 調音点について

「調音点」とは、調音(発音)に際して音声通路に閉鎖や狭めがつくられる箇所のことをいます。英語の[k]の調音では軟口蓋、[s]の調音では歯茎などが調音点となります。

2-1-1 口唇(lips)
2-1-2 歯(teeth)
2-1-3 歯茎(alveolar ridge)
2-1-4 硬口蓋(hard palate)
2-1-5 軟口蓋(velum, soft palate)
2-1-6 口蓋垂(uvula)
2-1-7 咽頭(pharynx)
2-1-8 喉頭(larynx)
2-1-9 声門(glottis)
2-1-10 声帯(vocal cord)
2-1-11 鼻腔(nasal cavity)
2-1-12 口腔(oral cavity)
2-1-13 舌(tongue)

口唇、歯、歯茎、舌、口腔の調音点は裏側矯正の影響を受ける箇所になります。

2-2 調音点による子音の分類

子音は、これらの調音点に基づき、以下のように分類されます。

2-2-1 両唇音(Bilabial)

上下の唇で調音される音。

2-2-2 唇歯音(Labio-dental)

下唇と上の歯がで調音される音。

2-2-3 歯間音(Interdental)

舌先と上の歯先で調音される音。

2-2-4 歯音(Dental)

舌先と上の歯で調音される音。

2-2-5 歯茎音(Alveolar)

舌先と上の歯茎で調音される音。

2-2-6 歯茎硬口蓋音(Palato-alveolar)

前舌と上の歯茎と硬口蓋の境界で調音される音。

2-2-7 硬口蓋音(Palatal)

前舌面と硬口蓋とで調音される音。

2-2-8 軟口蓋音(Velar)

後舌面と軟口蓋とで調音される音。

2-2-9 口蓋垂音(Uvular)

後舌面と軟口蓋の奥部(口蓋垂のあたり)とで調音される音。

2-2-10 咽頭音(Pharyngeal)

舌根と咽頭壁で調音される音。

2-2-11 声門音(Glottal)

声門で調音される音。

これらのうち、唇歯音、歯間音、歯音、歯茎音、歯茎硬口蓋音などは裏側矯正の装置により影響が出る可能性がある子音と考えられます。

2-3 調音法による分類

さらに子音は、調音法により、上記の「調音点において呼気がどのように流れるか・流れないか)」により、以下のように分類されます

2-3-1 破裂音

調音点の閉鎖を解放し、呼気がまとまって放出される際の音。「閉鎖音」ともいう。

2-3-2 鼻音

調音点で声道を閉じると当時に、鼻腔への通路を開け鼻腔を経て呼気を流出させる音。有声。

2-3-3 弾き音

呼気によって弾くようにして発する音。

2-3-4 摩擦音

調音点に狭めをつくり、そこを通る気流との間に摩擦を生じさせて発する音。

2-3-5 破擦音

音声器官を一時閉鎖した後、徐々に放出して、摩擦を生じさせた音。破裂音と摩擦音の組み合わさった音。破裂音と同様の閉鎖→解放の直後、雑音が作られる程度の狭めが作られる。

2-3-6 側面摩擦音

調音点の位置の中央を閉鎖し、その両側から息を通し雑音を作る。

2-3-7 接近音

調音点で狭めを作るが、狭めが比較的広く雑音が殆ど、もしくは全くきこえない。

2-3-8 側面接近音

調音点の中央を閉鎖し両側から息を通すが、その狭めが雑音が聞かれない程度に広い。有声

2-3-9 有気音(帯気音)

破裂音において破裂から声帯振動まで少し間があり、ここで気音がきかれる音。

2-4 声による分類(声帯の振動)

2-4-1 有声音 声帯の振動を伴う音。

2-4-2 無声音 声帯の振動のない音。

裏側矯正と発音・滑舌の第2回目「子音の分類」
調音について少し見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)
 

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