裏側矯正と空隙歯列(隙間、すきっ歯)

裏側矯正と空隙歯列(隙間、すきっ歯)

1 空隙歯列(隙間、すきっ歯)の問題点

理想的な歯列には空隙(隙間)はありません。
隣り合う歯同士がきっちりと接触(コンタクト)しています。
では歯列に隙間があるとどのような問題があるのでしょうか。

1-1 審美障害

特に前歯の隙間は、あなたのスマイルの魅力を半減させてしまいます。
前歯6本は「social six」とも呼ばれ、その人の印象を決める大切な要素なのです。

1-2 発音障害

「歯と舌を使って構音」する場合、隙間から息が漏れてしまい正しい発音ができません。

1-3 咀嚼障害

奥歯に大きな隙間があるとしっかり咬むことができません。
また小さな隙間には、食べ物が挟まり(食片圧入)歯周病の原因にもなります。

2 思い出に残る患者さん

2-1 歯列矯正は長いお付き合い

SYNCは「大人のための裏側矯正」を専門にしているため、様々な年齢やキャリアの方がいらっしゃいます。
歯列矯正は通常年単位の通院が必要です(治療期間や仕上がりは、裏側矯正も表側矯正もかわりません!!)。
そのため学生から社会人、転職、妊娠出産など、患者さんの「人生の節目の時期」にお付き合いすることも数多くあります。

そんな中でも、裏側矯正で空隙歯列(隙間、すきっ歯)を改善した思い出に残る患者様のストーリーです。

2-2 経緯

初診時年齢:30歳・女性
職業:スポーツジムのインストラクター
裏側矯正を考えた動機:
外資系航空会社のCAになるための最終面接で「前歯の隙間がマイナスポイントである」ことを指摘され就職できなかった。裏側矯正で歯並びをキレイにして再チャレンジしたい。

2-3 初診時

上下顎前歯部に大きな隙間がある。
上下顎前歯部に大きな隙間がある。
上顎:左右の第2小臼歯が欠損。乳歯が残っている。
上顎:左右の第2小臼歯が欠損。乳歯が残っている。
下顎:右側の第2小臼歯が欠損。隙間に隣接している歯が捻れたり傾いたりしている。
下顎:右側の第2小臼歯が欠損。隙間に隣接している歯が捻れたり傾いたりしている。

2-4 裏側矯正治療中

上下とも裏側矯正で治療中。
上顎の装置はサイズが大きめのカーツ7thというブラケットです。

治療中の上顎
治療中の上顎
治療中の下顎
治療中の下顎

2-5 裏側矯正治療終了時

前歯の隙間が閉じて、見た目が改善された。
前歯の隙間が閉じて、見た目が改善された。
上顎:左右の第2小臼歯の欠損部(乳歯が残っていた部位)にインプラントが植立された(今後セラミッククラウンが入る予定)。
上顎:左右の第2小臼歯の欠損部(乳歯が残っていた部位)にインプラントが植立された(今後セラミッククラウンが入る予定)。
下顎:右側の第2小臼歯欠損部にインプラントを植立し、セラミッククラウンが装着された。
下顎:右側の第2小臼歯欠損部にインプラントを植立し、セラミッククラウンが装着された。

2-6 裏側矯正終了後のTさん

もともと明るく素敵な方でしたが、前歯の隙間が閉じることでスマイルの印象が格段に良くなりました。
CAの試験にもパスし、現在は大手航空会社で活躍しています。
また国際結婚をして、現在はハワイを拠点にした生活を送っています。
夢が叶ってよかったですね!

3 まとめ

SYNCのアンケートでは「歯並びをキレイにすることで、笑顔に自信が持てるようになった」という声を非常に多く聞きます。
そして、その自信が気持ちをポジティブにして幸運を引き寄せる効果があるのではないでしょうか。

「裏側矯正と空隙歯列(隙間、すきっ歯)」について見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)

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裏側矯正トピックス一覧
 
裏側矯正と歯のサイズ

裏側矯正と歯のサイズ

裏側矯正で「キレイな歯並び・正しい咬み合わせ」を実現するための条件の一つに「上下の歯のサイズのバランスがとれていること」があります。

歯列の中に極端に小さい歯や大き過ぎる歯があると、当然その前後の歯並びに影響を及ぼします。歯が欠損している場合や、埋伏して(埋まって)いる場合も同じことが言えます。

小さな側切歯(矮小歯・タル状歯)
小さな側切歯(矮小歯・タル状歯)
大きな中切歯
大きな中切歯

1. Tooth size ratio(トゥースサイズレシオ)

矯正歯科専門医では精密検査の段階で、全ての歯のサイズ(近遠心幅径)を測定し、治療後の咬合状態を予測します。
その際に用いられるのがTooth size ratio(トゥースサイズレシオ)という概念で、「上下顎の歯冠(いわゆる歯の見えている部分)の近遠心幅径の総和を求めて、その比率を算出した値」となります。

この値により「歯牙素材による上下顎歯列の不調和」を評価し、矯正治療の仕上げ段階において「緊密でバランスの良い咬み合わせ」が達成できそうか予測します。

2. 3種類のレシオ

またTooth size ratio(トゥースサイズレシオ)は歯列のどの部分に注目するかにより3つに分類されます。

2-1 Overall ratio(オーバーオールレイシオ)

上下歯列全体のバランスを表します。
Overall ratio(オーバーオールレイシオ)
=(下顎12歯の歯冠幅径の総和(mm)/(上顎12歯の歯冠幅径の総和(mm))×100(%)
*日本人の標準値:91.37±2.10%

2-2 Posterior ratio(ポステリアレイシオ)

上下の側方歯のバランスを表します。
Posterior ratio(ポステリアレイシオ)
=(下顎犬歯から第一大臼歯までの歯冠幅径の和(mm))/(上顎犬歯から第一大臼歯までの歯冠幅径の総和)×100(%)

2-3 Anterior ratio(アンテリアレイシオ)

上下の前歯のバランスを表します。
Anterior ratio(アンテリアレイシオ)
=(下顎6前歯の歯冠幅径の総和(mm))/(上顎6前歯の歯冠幅径の総和(mm))×100(%)
*日本人の標準値:78.09±2.19%

3. まとめ

裏側矯正専門クリニックのSYNCでは、常により高い治療ゴールを目指しています。
しかし「素材となる歯の大きさや数」に問題がある場合には、治療の難易度が高くなります。矯正治療だけでは不十分なこともあります。
そのような場合には矯正専門医だけでなく、補綴歯科や口腔外科とのチームでのアプローチが必要になります。

「裏側矯正と歯のサイズ」について見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)

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裏側矯正トピックス一覧
 
部分裏側矯正

部分裏側矯正

1.裏側矯正での部分矯正とは?

「部分矯正」とは、歯並びで「特に気になる部分だけ」を治療する方法です。
M.T.M.(Minor tooth movement)とも呼ばれます。

部分矯正という特殊な治療技術があるわけではありません。
*患者様の希望により全体矯正ができない場合
*部分的な治療だけでも十分な結果が得られ、かつデメリットが少ない場合
に「全体矯正の技術(装置)を部分的に応用する」治療法です。

従って裏側矯正の装置を部分的に装着して行う治療方法が、「裏側矯正での部分矯正」ということです。

2.裏側矯正での部分矯正で目指すゴール

2-1.裏側矯正専門医が考えている治療のゴール

Joana Lopes/Shutterstock.com
Joana Lopes/Shutterstock.com

裏側矯正専門医のSYNCでは、下記の目標を達成できるような治療計画を考えます。

2-1-1 歯列がキレイに整っている。

歯列にデコボコや捻じれ、高さのずれがなく、歯同士がしっかりとコンタクトしている状態。上下の歯列の大きさ・形態のバランスもとれていること。

2-1-2 前歯も奥歯もしっかり咬める。

咬み合わせた時に、上下の歯がしっかり接触していること。前歯で咬み切り、奥歯で磨りつぶすことができる状態。

2-1-3 顎関節と調和した咀嚼運動ができる。

下顎を前後左右に動かした時に、顎関節に負荷がかからないバランスになっていること。

2-1-4 歯や歯周組織の健全性が保たれる。

歯が歯槽骨内に安定して位置していること。また咀嚼運動時に咬合性外傷が生じないこと。

2-1-5 口元のラインのバランスがとれている。

イーラインに対して理想的な横顔のラインになっていること。

2-2.裏側矯正での部分矯正における治療のゴール

裏側矯正での部分矯正では目標1「歯列がキレイに整っている」ことの中でも更に部分的な「前歯がキレイに整っている」ことをゴールにすることがほとんどです。
前歯の並びはその人の第一印象を決める要素であり「一番目立つ前歯を治したい!」気持ちはよく理解できます。

一方、部分矯正では残り4つの治療目標を達成することはできません。
そのため部分矯正では全体矯正に比べて「仕上がりの完成度は低く」なります。

3.裏側矯正での部分矯正の適応について

裏側矯正での部分矯正では「患者様のニーズ」と「医療面での許容範囲」の擦り合わせが必要になります。

3-1.裏側矯正での部分矯正を行うための必要条件

3-1-1 奥歯の咬み合わせなど、治したい部分以外に大きな問題がないこと。

3-1-2 部分矯正を行うことで、それ以外の歯並び・咬み合わせにとってマイナスにならないこと。

3-1-3 抜歯が必要な部分矯正では、治療後に隙間が残った場合の補綴処置(残った隙間をプラスチックやセラミックで閉じる方法)に同意していただける方。

3-1-4 全体矯正より「仕上がりの完成度は低い」ことに同意していただける方。

3-2.ライフスタイルから見る裏側矯正での部分矯正の適応

3-2-1 治療費をできるだけ抑えたい方。

3-2-2 仕事が忙しく時間が確保できない方。

3-2-3 治療期間が限られている方(結婚式、海外転勤など)。

3-3.症状から見る裏側矯正での部分矯正の適応

3-3-1 軽度な前歯の歯列不正。

(デコボコ、隙間、出っ歯、傾きetc)

3-3-2 矯正治療のわずかな後戻り

3-3-3 一般歯科治療の前処置

3-3-3-1) ブリッジ作製のため歯の平行性の獲得。
3-3-3-2) インプラントを埋入するためのスペースやクリアランスの獲得。
3-3-3-3) 傾斜した奥歯のアップライト(整直)。
3-3-3-4) 歯周病などでフレアアウトした前歯を後退させる。

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図2−3図2−4

4.部分矯正ができない場合

4-1.重度の歯列不正がある場合。

4-2.部分矯正を行うことで、それ以外の歯並び・咬み合わせにとってマイナスになる場合。

4-3.より完成度の高い仕上がりを求める方。

5.まとめ

SYNCでは「安く早く楽にできる」という理由で裏側矯正での部分矯正をお勧めすることはありません。

部分矯正においても、通常の精密検査・診断を行います。

部分的に歯を動かす事で、全体的な歯並び・咬み合わせを崩すことがないか?患者様が得られるメリットの他にデメリットは生じないか?
全体矯正への変更を希望した場合でもマイナスにならないプランか?

など、しっかりと精査した上でのスタートとなります。

「裏側矯正での部分矯正」について見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)

 

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裏側矯正トピックス一覧
 
30代・40代からの裏側矯正-1

30代・40代からの裏側矯正-1

1. 30代・40代のライフスタイル

ずっと歯並びが気になっていてコンプレックスだった。」
「子育てが一段落して、お金にも少し余裕ができて自分の時間も持てるようになった。」
「仕事でのキャリア・アップを目指したい。自分自身の魅力を高めるために歯並びをキレイにしたい。」
「歯周病など歯や歯茎の健康面が心配。歯並びを整えて、ずっと自分の歯で食事できるように管理していきたい」

歯並び咬み合わせの重要性が社会的に周知されるようになり、30代・40代以降で矯正治療を始められる方が非常に増えています。
中には親子で同時に矯正治療をスタートされる方もいます。

2. 30代・40代からの裏側矯正の意味

2-1 加齢変化にどう向き合うか

口腔内の環境は年齢とともに少しずつ変化していきます。
「正しい歯並び・咬み合わせ」はこの加齢変化への対抗手段の1つになります。
30代・40代からの裏側矯正は、単に審美面の改善だけでなく「全身の健康増進に寄与する」という意味合いが強くなります。

すなわち、30代・40代からの裏側矯正では以下のような「プラスの流れ」を目指します。
「正しい歯並び・咬み合わせを作る→歯や歯茎を健全に保つ→自分の歯でしっかり咬める→全身の健康増進につながる」

2-2 歯並びが悪いことで生じる問題

2-2-1 虫歯や歯周病のリスクが高くなる

歯並びが悪いと、虫歯や歯周病に罹患するリスクが高くなります。
歯磨きがしにくく、プラークが溜まることで虫歯菌や歯周病菌の繁殖を許してしまうからです。

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2-2-2 全身的問題

歯列不正があると、食べ物をしっかり咬めないこと(咀嚼障害)で胃腸などの消化器官への悪影響が懸念されます。
また、姿勢の悪化や肩こり、頭痛など全身の健康状態への影響を生じる場合があります。

3. そもそも30代・40代からでも裏側矯正はできるの?

矯正装置・材料の改良や治療技術の進歩により、30代・40代以降の方でも問題なく裏側矯正をお受けいただけるようになりました。
基本的には「歯と歯周組織が健康であれば、年齢に関係なく矯正治療はできる」のです。

4. 30代・40代からの裏側矯正でリスクとなること

加齢に伴う歯や歯周組織の変化に留意する必要があります。

4-1 歯の変化

4-1-1 虫歯などによる修復物の増加

虫歯ができてしまった場合には、その部分を削ることになります。
削ったあとは様々な歯科材料によって修復します。

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4-1-1-1 削除量が少ない場合

プラスチック(レジン)を詰める。

4-1-1-2 削除量がやや多い場合

金属やセラミックの詰め物(インレー)を接着する。

4-1-1-3 削除量が非常に多い場合

歯の神経処置を行った上で金属やセラミックの被せ(クラウン)を入れる。
*専門的にはこれらの修復物を補綴物、修復のための処置を補綴処置と呼びます。以下この用語を用います。

歯は一度削ると元の天然の状態には戻せません。不可逆的な治療です。そのため年齢とともに、口腔内の補綴物は多くなります(減っていくということはありません)。

お口の中の衛生管理をしっかり行うことで、虫歯を作らないようにしましょう。

4-1-2 補綴物はなぜ矯正治療を難しくするのか?

まず、安心していただきたいのですが「30代・40代以上で補綴物が多くても裏側矯正は可能」です。
正しく治療された歯であれば、天然歯と同様に動かすことができます。
しかし、以下のような問題があるため注意が必要になります。

4-1-2-1 接着の問題

プラスチック、金属、セラミック。これら補綴物は天然歯に比べて矯正装置が接着しにくいというリスクがあります。
金属やセラミック用の接着剤もありますが、やはり天然歯よりは装置の脱落のリスクが高くなります。
この場合、補綴歯の表面をヤスリでザラザラにして接着しやすくすることがあります。ザラザラにした面は矯正治療終了後に研磨します。
裏側矯正では「装置を歯の裏側に接着する」ので、ザラザラにするのも補綴歯の裏面です。見た目に影響する表側のキレイな面はそのまま保存できることも裏側矯正のメリットの一つです。

4-1-2-2 マージンラインの問題

 

矯正治療後に合わなくなったマージンライン
矯正治療後に合わなくなったマージンライン
再補綴による審美性の回復
再補綴による審美性の回復

矯正治療で補綴歯を動かすと、補綴物と歯茎のラインが合わなくなる(隙間ができる)ことがあります。
この場合、審美面や清掃性を考え矯正治療後に再補綴(被せを新しく作ること)が必要になることがあります。
もし「矯正治療をしたい」+「自費診療でセラミックなどのキレイな歯を入れたい」とお考えの場合は、矯正治療で歯並びを正しく整えたあとで、セラミックなどの歯をキレイに入れてもらうのがよいでしょう。
ただし、現在の差し歯や被せが明らかに不適合で、審美的にも歯の健康上も急いで治したほうが良い場合には、プラスチックの仮歯(テック)に置き換えてもらい、矯正治療終了後に最終的な補綴物を入れてもらいましょう。

4-1-2-3 サイズの問題 

 
時々、本来の大きさより極端に小さな補綴物を見かけます。
歯列不正を残したまま補綴処置を行う場合、このようなことが生じます。
本来のサイズや形態と極端に異なる補綴歯は、矯正治療前に仮歯(テック)におきかえ、治療終了後に最終補綴を行います。

4-1-3 歯の欠損

虫歯や歯周病、外傷などにより歯を失ってしまうことがあります。
歯が欠損してしまった場合は、インプラント、ブリッジなどの外科・補綴処置により失った歯の機能を補うことになります。
これらの処置は機能回復の上では有効なものですが、矯正治療を難しくする場合もあります。

4-1-3-1 インプラントと矯正治療

歯が欠損した場合、インプラントはメリットの多い治療法です。
歯が欠損した状態で長期間放置しておくと隣の歯が倒れてきて咬み合わせのバランスを崩してしまいます。

歯の欠損は歯列全体に影響する
歯の欠損は歯列全体に影響する


インプラントは歯槽骨に土台となるチタン製のネジを植立し、その上に人口歯を被せる治療方法です。
裏側矯正による治療とインプラント植立
裏側矯正による治療とインプラント植立
インプラントにセラミッククラウンを装着
インプラントにセラミッククラウンを装着

土台となるインプラント本体は歯槽骨としっかりくっつくことが必要になります。天然歯のような動揺があってはいけません。
すなわち、インプラントで作った歯は矯正治療で動かすことはできません。
歯が欠損した場合、その隙間を矯正治療でバランスよく閉じることができるかもしれません。
また、インプラントが必要になる場合でも、他の歯の位置が矯正治療によって整ってからインプラントをすべきでしょう。
*場合によっては奥歯のインプラントを先に行い、それを用いて矯正治療を行うこともあります。

4-1-3-2 ブリッジと矯正治療

またブリッジの場合も同様で、矯正治療で正しく動かすことは困難です。
実際には、ブリッジは動かさないように治療を進めることが多いのですが、ダミー部(ブリッジで補っている本来欠損している部分)のスペースを矯正治療の歯の移動で使う場合には、ブリッジを切断する場合もあります。

4-1-3-3 総合的に治療計画を考える

矯正治療は歯科医療の一分野です。
口腔内の状況によっては、矯正治療だけでは理想的な咬み合わせを達成できない場合もあります。
そのような場合には、インプラント、ブリッジ、その他の補綴処置、歯周疾患に対する治療などを総合的に考えた治療計画を立てる必要があります。
歯列矯正をお考えの場合は、まずは矯正歯科専門医の受診をお勧めします。

4-1-4咬耗や破折

前歯の咬耗が見られる
前歯の咬耗が見られる
咬み合わせが深い(過蓋咬合)
咬み合わせが深い(過蓋咬合)


エナメルクラック
エナメルクラック

 
歯列不正を長年放置すると、部分的に歯が強く当たることで咬耗したり、ヒビ(クラック)が入ったり、破折することがあります。
また、強すぎる歯ブラシ圧や歯磨きの研磨剤の影響で、歯と歯茎の境目が削れてしまうことがあります。

5. まとめ

30代・40代からでも裏側矯正をスタートすることは可能です。
ただし「加齢に伴う歯や歯周組織の変化」に注意した治療計画を考える必要があります。

「30代・40代からの裏側矯正」について見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)

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裏側矯正トピックス一覧
 
横顔のライン

横顔のライン

裏側矯正で目指す
「美しく調和のとれた横顔・口元のバランス」
の基準にイー・ライン(Eライン)があります(前回の記事参照)。
そして日本人の場合
「上下口唇がイー・ライン(Eライン)に接する」
状態であることが理想とされています。

イー・ライン(Eライン)は比較的知られた概念です。
しかし、「美しく調和のとれた横顔・口元のバランス」を実現するための要素は他にもあります。

1. 鼻唇角(Nasolabial angle)

1-1. 鼻唇角(Nasolabial angle)とは?

鼻唇角(Nasolabial angle)とは、顔を横から見たときに「鼻の先端から鼻の付け根までのライン(A)」と、「鼻の付け根から上口唇に延長させたライン(B)」のなす角度です。

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1-2. 理想的な鼻唇角(Nasolabial angle)は?

日本人では90°~100°、白人は90°~120°程度が理想的といわれています。

1-3. 前歯の位置と鼻唇角(Nasolabial angle)

上口唇の「張り具合」(ラインB)は、上顎の前歯の前後的な位置の影響を受けます。
すなわち、美容整形などでラインAが変わらなければ鼻唇角(Nasolabial angle)は歯の位置に影響を受けます。

具体的には、上の前歯を前方に出すと鼻唇角(Nasolabial angle)は小さくなります。
反対に上の前歯を後方に引っ込めると、鼻唇角(Nasolabial angle)は大きくなります。

つまり裏側矯正で鼻唇角(Nasolabial angle)はある程度コントロールできるのです。
*上顎の前歯を5mm後方に引っ込めると、上口唇は4mm程度後方へ移動すると言われています。

元々ラインAの鼻の先端側が上がっている(鼻が上向き)の場合は、上顎の前歯を引っ込めすぎると、鼻唇角(Nasolabial angle)が大きくなりすぎて、間延びした横顔になってしまします。
注意深い診断と歯の移動が必要です。

2. オトガイ部の状態

オトガイ(頤)部とは下顎の先端の部分のことです。
矯正治療では「美しく調和のとれた横顔・口元のバランス」を実現するため、このオトガイ部にも配慮します。

前歯が突出して口唇が閉じにくくなると、オトガイ部が緊張し「梅干しのようなシワ」が形成されます。
患者様自身の表現を借りると「怒っているような口元」に見られることがあります。

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下口唇からオトガイ部にかけての輪郭は「なだらかなS字状カーブを描いている」ことが理想的と考えられています。

この際、オトガイ部には緊張感がなくメンターリスサルカスが形成されています。

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3. まとめ

裏側矯正の治療計画を立てる際には、「歯並び・咬み合わせ」だけではなく「イー・ライン(Eライン)」や「鼻唇角(Nasolabial angle)」、「オトガイ部のライン」など、「美しく調和のとれた横顔・口元のバランス」を実現することにも配慮しています。

「裏側矯正と横顔のライン」について見えてきましたか?

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