部分裏側矯正

部分裏側矯正

1.裏側矯正での部分矯正とは?

「部分矯正」とは、歯並びで「特に気になる部分だけ」を治療する方法です。
M.T.M.(Minor tooth movement)とも呼ばれます。

部分矯正という特殊な治療技術があるわけではありません。
*患者様の希望により全体矯正ができない場合
*部分的な治療だけでも十分な結果が得られ、かつデメリットが少ない場合
に「全体矯正の技術(装置)を部分的に応用する」治療法です。

従って裏側矯正の装置を部分的に装着して行う治療方法が、「裏側矯正での部分矯正」ということです。

2.裏側矯正での部分矯正で目指すゴール

2-1.裏側矯正専門医が考えている治療のゴール

Joana Lopes/Shutterstock.com
Joana Lopes/Shutterstock.com

裏側矯正専門医のSYNCでは、下記の目標を達成できるような治療計画を考えます。

2-1-1 歯列がキレイに整っている。

歯列にデコボコや捻じれ、高さのずれがなく、歯同士がしっかりとコンタクトしている状態。上下の歯列の大きさ・形態のバランスもとれていること。

2-1-2 前歯も奥歯もしっかり咬める。

咬み合わせた時に、上下の歯がしっかり接触していること。前歯で咬み切り、奥歯で磨りつぶすことができる状態。

2-1-3 顎関節と調和した咀嚼運動ができる。

下顎を前後左右に動かした時に、顎関節に負荷がかからないバランスになっていること。

2-1-4 歯や歯周組織の健全性が保たれる。

歯が歯槽骨内に安定して位置していること。また咀嚼運動時に咬合性外傷が生じないこと。

2-1-5 口元のラインのバランスがとれている。

イーラインに対して理想的な横顔のラインになっていること。

2-2.裏側矯正での部分矯正における治療のゴール

裏側矯正での部分矯正では目標1「歯列がキレイに整っている」ことの中でも更に部分的な「前歯がキレイに整っている」ことをゴールにすることがほとんどです。
前歯の並びはその人の第一印象を決める要素であり「一番目立つ前歯を治したい!」気持ちはよく理解できます。

一方、部分矯正では残り4つの治療目標を達成することはできません。
そのため部分矯正では全体矯正に比べて「仕上がりの完成度は低く」なります。

3.裏側矯正での部分矯正の適応について

裏側矯正での部分矯正では「患者様のニーズ」と「医療面での許容範囲」の擦り合わせが必要になります。

3-1.裏側矯正での部分矯正を行うための必要条件

3-1-1 奥歯の咬み合わせなど、治したい部分以外に大きな問題がないこと。

3-1-2 部分矯正を行うことで、それ以外の歯並び・咬み合わせにとってマイナスにならないこと。

3-1-3 抜歯が必要な部分矯正では、治療後に隙間が残った場合の補綴処置(残った隙間をプラスチックやセラミックで閉じる方法)に同意していただける方。

3-1-4 全体矯正より「仕上がりの完成度は低い」ことに同意していただける方。

3-2.ライフスタイルから見る裏側矯正での部分矯正の適応

3-2-1 治療費をできるだけ抑えたい方。

3-2-2 仕事が忙しく時間が確保できない方。

3-2-3 治療期間が限られている方(結婚式、海外転勤など)。

3-3.症状から見る裏側矯正での部分矯正の適応

3-3-1 軽度な前歯の歯列不正。

(デコボコ、隙間、出っ歯、傾きetc)

3-3-2 矯正治療のわずかな後戻り

3-3-3 一般歯科治療の前処置

3-3-3-1) ブリッジ作製のため歯の平行性の獲得。
3-3-3-2) インプラントを埋入するためのスペースやクリアランスの獲得。
3-3-3-3) 傾斜した奥歯のアップライト(整直)。
3-3-3-4) 歯周病などでフレアアウトした前歯を後退させる。

PICT0001.JPGPICT0006.JPG

PICT0006.JPGPICT0044.JPG

PICT0002.JPGPICT0009.JPG

図2−3図2−4

4.部分矯正ができない場合

4-1.重度の歯列不正がある場合。

4-2.部分矯正を行うことで、それ以外の歯並び・咬み合わせにとってマイナスになる場合。

4-3.より完成度の高い仕上がりを求める方。

5.まとめ

SYNCでは「安く早く楽にできる」という理由で裏側矯正での部分矯正をお勧めすることはありません。

部分矯正においても、通常の精密検査・診断を行います。

部分的に歯を動かす事で、全体的な歯並び・咬み合わせを崩すことがないか?患者様が得られるメリットの他にデメリットは生じないか?
全体矯正への変更を希望した場合でもマイナスにならないプランか?

など、しっかりと精査した上でのスタートとなります。

「裏側矯正での部分矯正」について見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)

 

View-Apart/Shutterstock.com

裏側矯正トピックス一覧