装置 1 「インコグニト™ アプライアンス システム」

装置 1 「インコグニト™ アプライアンス システム」

1 セミナー受講とライセンス

1-1 セミナーを受講するということ

インビザラインと同様に、このシステムを使用するためにはセミナーを受講する必要があります。矯正歯科医であることが受講資格のようです。

インビザラインもそうですが、一般的にこのようなセミナーは試験があるわけではありません。「しっかりシステムを『理解』してくれたら、使用許可(ライセンス)をあげますよ。」という感じです。
ライセンス取得後は自分で臨床経験を積んでいくしかありません。

例えば、運転免許は教習所に通って
座学→試験→実技(このリピート)→仮免・路上教習→試験→ライセンス交付
というのが一般的でしょう。
「ルールを理解し、ちゃんと運転もできるようになったからライセンスあげますよ。」という流れです。

1-2 ライセンス取得=できる ではない。

インビザラインもインコグニトも

ライセンス取得=できる! というわけではありません。

そこがスタートラインになります。
(ライセンス取得者のアシスタントとして、経験値を積むことはありますが、正式には自分でライセンスを取得しなくてはなりません。)
クリニックを選ぶ際には、実際にその裏側矯正装置・システムで治療した症例数をお聞きになり、そのクリニックでの治療例を見せてもらうのが良いでしょう。

インコグニトの場合は、ドイツTOP-Service fur Lingualtechnik GmbH社認定コースを受講する必要がありますが、日本では3M™ Unitek™社がセミナーを開催しています。
私も3年ほど前に受講しました。
私たちが15年以上、アップデートしながら実践している裏側矯正システムに応用できる知見もあり、有意義なセミナーでした。

2 インコグニト™ アプライアンス システムの特徴

3M™ Unitek™社のHPに「インコグニト™ アプライアンス システム」の情報が掲載されていたので、それをもとに解りやすくまとめました。

2-1 CAD/CAMソフトウェアを用いて、歯の裏側の面(舌側面)の形態に合せてカスタムメイドされたブラケットを設計します。

2-2 ブラケットは快適性を向上できるように、できるだけ薄く丸みを帯びた設計になっています。

2-3 ブラケットはドクターの指示に従ったインダイレクト* トランスファートレーに納められます。

*インダイレクトに関しては他の記事で解説します。

2-4 ワイヤーはドクターではなくベンディングロボット(ワイヤーを曲げるロボット!)が製作します。

2-5 カスタマイズされたブラケットの納まったインダイレクト トランスファートレーと、ベンディングされたワイヤーがシステムで提供されます。

3 インコグニト™ アプライアンス システムの製作過程

3-1 シリコン印象(歯型を採るゴム)から作られた石膏模型を用いて、治療セットアップ(治療後の予測模型)を作製。

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3-2 歯面の精密な3D画像データを得るため、高解像度のスキャナーによるセットアップ模型のスキャニング。

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3-3 3Dスキャンされた画像。

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3-4 CAD/CAM技術を用いて、歯面に適合するブラケットパッドを設計。

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3-5 ブラケット本体の設計。プロファイルとウィングを調整。

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3-6 ラピッド プロトタイピングマシーンで、各ブラケットのワックスパターンを作製。

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3-7 金合金で鋳造。

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3-8 ブラケットを研磨。スロットの正確性をマニュアルでゲージを用いて計測。

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3-9 製作されたブラケットをオリジナルの不正咬合模型に接着。

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3-10 インダイレクトボンディングのためのトランスファートレーを作製

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3-11 CAD/CAM技術で設計されたアーチワイヤー

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4 まとめ

インコグニトは現在世界中で普及してきている裏側矯正のシステムです。
このシステムの発表後に、類似した(モディファイした)装置がいろいろ発表されています。
しかし、やはり裏側矯正治療を成功させる鍵は、ドクターの診断力と治療経験であることに変わりはありません。

「裏側矯正の装置」について見えてきましたか?

(文・監修/医療法人社団Synchronize SYNC横浜元町矯正歯科 小玉晃平 KOHEI KODAMA,D.D.S.)

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